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頭ではわかっているのに不安になるのはなぜ?

こころのケアラボ仙台
20 時間前
読了時間: 7分
頭ではわかっているのに不安になる心理について解説する記事のイメージ画像

「大丈夫だって、頭ではわかっているんです」

それなのに、不安になる。

相手の態度が少し違っただけで、

「何か悪いことをしたかな」

と考えてしまう。


返信がいつもより遅いだけで、

「嫌われたのかもしれない」

と気になってしまう。


仕事でも、


「一度失敗したくらいで全部がダメになるわけではない」


とわかっているのに、

身体が緊張して頭から離れない。



そして落ち着いたあと、


「また考えすぎてしまった」


「頭ではわかっているのに、どうしてできないんだろう」



と、今度は自分を責めてしまう。


でも、ここには一つ大切なことがあります。


「頭で理解していること」と「反応しなくなること」は、必ずしも同じではありません。


分かっているのに不安になるのは、あなたの理解が足りないからとは限らないのです。


頭ではわかっているのに不安になると、自分を責めてしまう


不安について、すでにたくさん考えている人は少なくありません。


「考えすぎないほうがいい」

「相手には相手の事情がある」

「全部を悪い方向に考える必要はない」


そうしたことは、自分でも十分わかっている。

周囲から同じことを言われた経験がある人もいるでしょう。


だからこそ、また不安になると、


「これだけ分かっているのに、なぜ私は変われないんだろう」


という自己批判が加わります。

ここで、前回の記事「自分を責めるのはなぜ?」ともつながってきます。



でも、「理解しているのに反応してしまう」ことを、意志の弱さや努力不足だけで説明する必要はありません。



少し違う角度から、自分の中で起きていることを見てみます。


頭で考えるより先に、身体が反応することがある


頭では「大丈夫」と考えていても、身体は先に反応することがあります。


胸がざわざわする。

心臓が速くなる。

身体に力が入る。

胃のあたりが重くなる。

落ち着かなくなる。


こうした身体の変化を伴うことがあります。不安には自律神経系を含むさまざまな身体反応が現れ得ることも知られています。日本看護科学学会


だから、


「大丈夫」

と頭で考えられていても、身体まで同時に「大丈夫」と感じているとは限りません。



そして身体に不安の反応が起こると、私たちはその感覚について考え始めます。


「何かおかしい」

「嫌われたのかもしれない」

「また悪いことが起こるかもしれない」


そうして、不安がさらに大きくなることもあります。


自分の中で何が起きているのかを見てみる


ここで、一つの見取り図を使ってみます。


不安が起こるときの出来事・身体の反応・感情・思考・行動のつながりを示した見取り図

たとえば、誰かの反応がいつもと少し違ったとします。


その瞬間に身体が緊張する。

不安になる。

「私が何かしたのかな」と考える。


そして、

確認したくなる。

何度も考える。

相手の表情や言葉を読み取ろうとする。

距離を取る。


あるいは、安心できる言葉を求める。

そんな流れが起きることがあります。


ただし、これは人間の反応が必ずこの順番で起こる、という意味ではありません。


考えが先に浮かぶこともあります。

身体と感情を分けられないこともあります。


いくつもの反応が、ほとんど同時に起こることもあります。


認知行動療法でも、認知・感情・行動・身体反応は相互に関係するものとして扱われます。厚生労働省


ここで大切なのは順番を正しく当てることではありません。


「自分の中では何が起きているんだろう?」


と、自分を観察するための見取り図として使うことです。


その反応には、これまでの経験が関係しているかもしれない


同じ出来事が起きても、すべての人が同じように反応するわけではありません。



ある人には何でもないことが、別の人にはとても不安になることがあります。



そこには、これまで経験してきたことや、人との関係の中で身につけてきた反応の仕方が関係している場合があります。



たとえば、過去に人の機嫌をよく見ていなければならなかった人なら、相手の表情の小さな変化にも敏感になるかもしれません。



突然関係が変わった経験があれば、少し距離を感じただけで「離れていくのでは」と不安になることもあるでしょう。



だから、


「こんなことで不安になる私はおかしい」


と考える前に、


「この反応は、どこで身につけてきたんだろう?」


と考えてみる。


こころのケアラボ仙台では、こうした


その人なりの反応のパターンを知り、「なぜ自分はこう反応するのだろう」と理解していくこと


を大切にしています。


不安にならないことを目標にしなくてもいい


自分の反応に気づくと、

「じゃあ、この不安をなくせばいいんですね」

と思うかもしれません。


でも、必ずしもそうではありません。



不安には、自分を守る働きもあります。

危険かもしれないものに気づく。

慎重になる。

相手との関係を大切にしようとする。

先のことを考える。



そうした働きまで、すべてなくす必要はありません。


問題になるのは、不安が存在することそのものというより、


不安が強くなったときに、それ以外の選択肢が見えなくなってしまうこと


なのかもしれません。

だから目指すのは、

「もう二度と不安にならない自分」

ではなく、


「不安になっている自分に気づけること」


からでもいいのだと思います。


反応を止める前に、観察してみる


また不安になった。

また考えすぎた。

そんなとき、すぐに反応を止めようとする代わりに、少し観察してみます。


何があった?


そのとき、身体はどうだった?


どんな気持ちになった?


どんなことを考えた?


そして、何をしたくなった?


正しい答えを出す必要はありません。

「よく分からない」でも構いません。


何度か見ていくうちに、


「私はこういう場面になると、胸がざわざわするんだ」

「そのあと『嫌われたかもしれない』と考えることが多い」

「そして安心したくて、相手に確認したくなる」


というように、

自分なりのパターンが見えてくることがあります。


それは、


「また不安になった自分」


を責めることとは、かなり違います。

自分を評価するのではなく、自分を知っていく。

その作業です。


「頭ではわかっている」は、変化していないという意味ではない


もう一つ、大切にしたいことがあります。


「頭ではわかっているのに」

という言葉の中には、

「まだできていない」

という評価が入りやすくなります。


でも、以前は何が起きているのか分からないまま反応していたものを、


「今、不安になっている」

「またこの反応が出ている」


と気づけるようになったのなら、

それも一つの変化です。


すぐに反応しなくなることだけが変化ではありません。


気づく。

少し立ち止まる。

自分の中で起きていることを見る。

その積み重ねによって、

反応そのものに振り回される状態から、


「今こう感じている。それで、私はどうしようか」


と選べる余白が少しずつ生まれてくることがあります。


自分の反応を知るということ


私たちは、何もないところから突然、不安になっているわけではありません。


そこには、

これまで経験してきたこと。

人との関係。

身体の感覚。

自分を守るために身につけてきた反応。


さまざまなものが関係していることがあります。

だから、


「どうして私はこんな性格なんだろう」

ではなく、


「どうして私は、こう反応するようになったんだろう」


と見てみる。


そして、

「この反応は何を守ろうとしているんだろう」

「今の自分にも、この反応は同じくらい必要だろうか」

と少しずつ知っていく。


大切なのは、自分を何かのタイプに分類することではありません。


自分の中で何が起きているのかを、自分自身が少しずつ理解できるようになること。


その理解が増えていくと、

「また不安になってしまった」

から、

「今、自分の中で何が起きたんだろう?」


へと、自分を見る位置が少し変わっていくことがあります。


頭ではわかっているのに、不安を繰り返してしまう方へ


「考えすぎないようにしよう」

「気にしないようにしよう」


と何度も自分に言い聞かせても、同じ不安を繰り返してしまう。


そんなときは、考え方だけではなく、身体の反応や感情、これまでの経験も含めて整理してみることで、自分の反応が少し違って見えてくることがあります。


こころのケアラボ仙台では、IFS(内的家族システム療法)や愛着・トラウマなどの考え方も取り入れながら、


「その反応をどう消すか」だけではなく、「なぜその反応が必要だったのか」


を一緒に見ていきます。

「頭ではわかっているのに変われない」と、自分を責め続けなくてもいい。

まずは、


今、自分の中で何が起きているのか。


そこを知ることから始めていきます。






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